ワクチンの接種間隔はどのくらい必要なの?|ひらた内科・脳神経内科クリニック|横浜市神奈川区の一般内科・訪問診療

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ワクチンの接種間隔はどのくらい必要なの?|ひらた内科・脳神経内科クリニック|横浜市神奈川区の一般内科・訪問診療

ワクチンの接種間隔はどのくらい必要なの?

新年あけましておめでとうございます。

院長の相子です。

 14日から通常の外来診療を開始しておりますが、去年に続き新型コロナが流行しています。それに加え、インフルエンザ感染の患者さんが急激に増えてきました。

コロナ流行以降、インフルエンザの感染者は少なかったため、「今年はインフルエンザの予防接種はやめておこうかな」と考えていた方も多いかもしれません。

インフルエンザの流行は12月から4月といわれ、例年ピークは1月末から3月上旬に迎えます。今からでもインフルエンザワクチンの効果が期待できます。特にインフルエンザが重症化しやすい方(持病をお持ちの方、65歳以上の方、お子さん)には大きなメリットがあります。インフルエンザワクチンの接種をご検討ください。

新型コロナワクチンの接種が続いていることもあり、特にワクチン接種の間隔について質問をいただくことが増えました。よくいただく質問について以下にまとめてみました。ご参考になれば幸いです。

【新型コロナワクチン、インフルエンザワクチンは、どれくらい間隔をあける必要があるの?】

  • 間隔をあける必要はありません。同時接種も可能です
  • 新型コロナ、インフルエンザワクチンの同時接種は、それぞれ別々に接種した場合と比較して、有効性・安全性が変わらないと報告されています。諸外国でも間隔をあけずに接種されています。

【新型コロナワクチンと、インフルエンザ以外のワクチンは、どれくらい間隔をあける必要があるの?】

  • 2週間あける必要があります。同時接種もできません
  • 新型コロナワクチンは導入されたばかりのため、他のワクチンと同時接種した場合の安全性・有効性に関するデータが不足しているためです。特別危険なデータが出たからではありません。同時接種可能とする国もあり、国によって対応は分かれています。

【その他一般のワクチン同士の間隔はどうなっているの?】

①注射の生ワクチンの場合

  • 注射の生ワクチン同士は、27日以上間隔をあけなくてはなりません。ただし同時接種は可能です。
  • 国内で一般的に行われている生ワクチンには、以下のようなものがあります。

・麻しん・風しん

・水痘(水ぼうそう)

・おたふくかぜ

BCG

  • 接種間隔をあける理由:

生ワクチンは、弱毒化した生きたウイルスを体内に注入するものです。このウイルスが体内で増えることで免疫がつきます。この時、体の防御反応として、ウイルスの増殖を抑える物質(インターフェロン)が作られます。この物質が残っている時に次の生ワクチンを接種すると、新たに体内に入れた弱毒化ウイルスが増えず、免疫がつきにくいと考えられています。そこで生ワクチン同士の間隔は十分空ける必要があります。

②その他のワクチン(不活化ワクチン)の場合

  • 接種間隔の制限はありません。
  • 以下の様な、多くのワクチンが不活化ワクチンに該当します。

・インフルエンザ

・肺炎球菌

A型肝炎・B型肝炎

・ヒトパピローマウイルス(HPV

・インフルエンザ桿菌(ヒブ)

4種、3種、2種混合

・日本脳炎

・狂犬病

  • 間隔をあけなくて良い理由:

不活化ワクチンは、死んだウイルスや、バラバラにしたウイルスの一部を体内に注射するものです。免疫がつく過程で、ウイルスが体内で増える必要はありません。このため、生ワクチンを接種した直後で、ウイルス増殖を抑える物質が体内に増えた状態であっても、ワクチンの効果は低下しません。

 

③まとめ

以上をまとめると、下の図のようになります。(厚生労働省:第36回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会資料より抜粋)